今日、娯楽の一つとして定着している映画やTVドラマなどの映像作品。 実は作品の内容や描写に何らかの問題が発生して、特定の国では視聴できない、または出来なかった事例があるのをご存知でしょうか。 ここでは国によって放送できない番組についての面白い雑学を紹介します。 |
まずは日本。 ポール・シュレイダー監督の「Mishima:A Life in Four Chapters」という映画は日本では正規の視聴や上映ができません。 平成23年に発売された『ワケありな映画』という書籍によれば、作家の三島由紀夫氏の生涯を彼の著作になぞらえて描いたこの作品は、劇中で同性愛を示唆する描写があったために、三島氏の夫人・平岡瑤子さんが猛抗議を行い、日本での上映が中止となりました。 次はイギリスです。 同じく書籍『ワケありな映画』から引用しますが、対象となった映画はスタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」という作品です。 少年犯罪を刺激的に描いた作品ですが、上映直後、イギリス国内の少年犯罪を誘発すると批判されて中止に追い込まれています。その後27年間、イギリス国内での上映は許されませんでした。上映が許されたのは、監督も死去した後の2000年になってからです。 |
最後は中国です。 中国は特に政治や思想、歴史の問題、国のイメージを損なうと判断した作品は、中国放送映画TV総局所属委員会という部署が検閲して上映を許しません。しかし中には、一見「え?」と思う作品が上映禁止となったことがあります。 それは日本でも人気の高い韓国の俳優ペ・ヨンジュンが主演した「太王四神記」というTVドラマです。 |
この作品はファンタジーの時代劇であり、架空史劇であるのが明白なのですが、韓国の新聞・イーデイリーによれば、作品の舞台が高句麗を独立国として描いている設定が「高句麗は中国の一地方政権」であったという中国の見解と異なるために上映禁止になったばかりか、主演のペ・ヨンジュンまでブラックリストに入れられるというおまけがついてしまいました。 この出来事は日本でも毎日新聞が2007年に報道しています。 このように、世界の国の様々な事情によって、娯楽となるはずの映像作品が見ることができないという悲しい事例がいくつも存在しているのです。 |