近年の牛ユッケの食中毒問題のおかげで、レバ刺し等の生肉を食べられなくなってしまったとお嘆きの方も多いでしょう。一般でも通販でも生レバーをあまり見かけなくなりました。 ただしこの規制、よくよく考えてみれば、牛肉の生食が不可能になったわけで、他の肉の生食は、きちんと基準に適合した施設が整備されている種類の肉に関しては可能です。 その代表が、馬肉、つまり馬刺しです。 |
しかし、整備されているといっても、馬肉の生食用加工施設は全国に12箇所しかありません。馬肉の需要が牛に比べて少ないということもありますが、それだけ基準が厳しいということです。 具体的な規制の内容一つ一つを述べることまでは避けますが、簡単に言うなら、生食用の加工施設には、生食肉専用の調理場、包丁、まな板等を設けて他の作業と厳密に区分すること、また、加熱殺菌やその後の冷却を行う設備を備えることなどが求められます。 もし、牛肉に関してもこの基準に適合した施設を整備して、生食用施設を整備していれば、死者も出ることなく、今でも生の牛肉を食べることができたであろうに、残念でなりません。 |
とはいえ、現在馬刺しを食べることは可能なわけです。 「馬刺しといったら、あの赤い色をした馬刺しでしょ?食べたことあるけどいまいちだったよ」と思われる方もいるかもしれませんが、牛肉にバラ、ハラミといった部位があるように、馬肉にも、牛肉ほど細かく分けられてはいませんが、部位があり、馬刺しを売りにしている店では必ず部位ごとに出しており、そのような店でないと馬刺しの本領は味わえません。 主な部位として、赤身、タテガミ(コウネ)、タン、フタエゴ、そしてレバーなどがあります。 |
脂身の乗ったタテガミやフタエゴ、歯ごたえのあるタン、そして牛の生レバーよりはあっさりしているものの、似た味わいの馬レバーなど、通は部位ごとに選んで食しますが、そのような形で提供している店は、やはり味にも自信を持っています。 このように、生肉の味が恋しい方は、馬刺しを食べてみることをオススメします。なにしろ食中毒騒ぎがあっても、厳しい基準に適合する生食用加工施設が厳選されて整備されていることもあり、実績がある種類の肉で安心もできます。 なお、馬刺しの店探しでは、単に「馬刺し」とだけ書いてある店よりも、「タテガミ」とか「コウネ」とか「フタエゴ」とか、馬肉の部位に特有のワードで検索したほうがよいでしょう。 前述のようにメニューの一端として出しているような店よりは、部位ごとに出していることがはっきりしている店を見つけることができるでしょう。 |